買収されるイタリア企業

本日、イタリア・ミラノに本社を置くタイヤ製造大手、ピレリ(Pirelli)の買収合意が発表されました。
配信元:ロイター中国化工集団、イタリアのタイヤ大手ピレリ買収で合意

買い手は中国国有の化学メーカー中国化工集団公司。同社のタイヤ製造部門がピレリの株式を取得し、経営権の獲得を目指すそうです。

イタリアのM&Aといえば、日立製作所もフィンメカニカ(Finmeccanica)と同社の鉄道事業の買収合意を先月発表したばかり。一部メディアは、続々と行われるイタリア企業の「身売り」を警戒しています。

例えば、ミラノのオンラインマガジンNanoPress.itは「さらばメイド・イン・イタリー:外国に売られるイタリア企業たち(”Made in Italy addio: tutte le aziende italiane vendute all’estero“)」という記事で、今回のピレリやフィンメカニカ、ミラノの高層ビルがならぶポルタ・ヌオーヴァ(Porta Nuova)地区、ボローニャFC(Bologna FC)など、最近買われたイタリア企業やブランドを取り上げています。そこには不景気で凋落していくイタリア経済への懸念と身近なブランドが外国企業に買われていくことの不安が感じられます。

ちなみにイタリア土産の定番ペルジーナ(Perusina)のBaciは、スイスのネスレ傘下ですね。過去にお土産で買って行って「ネスレじゃん」と言われ複雑な気持ちになった記憶があります。企業間M&Aは決して悪いことではないのですが、こういう場面だと確かにちょっとさみしい気もしますね。

果たしてイタリア企業はかつての輝きを取り戻せるのでしょうか(我が国も同じような状況ですが)。今後に期待しましょう。